2016年9月5日月曜日

ケルベロス 地獄の番犬

基本ファン以外はピンとこない作家性の強い監督の作品。そう、まだ昭和っぽさが残る1991年公開の押井監督作品。ネットでは酷評が多いのかな。「!?何を言っているのか作品の内容がわからない。」「途中で寝ちゃった!」

といった意見が多数を占めるといううのが相場か。ググってみてください。犬好きな監督の主人を亡くした野良犬が裏テーマの作品。と、言っても差し支えない。テーマって大事。


まとまりのない感じだけれど簡単に感想など。


劇中のロケ地に台南が使われており、音楽や作品コンセプト、演出が相まって台南を比較的よく知る身としては「琴線に触れる作品」。すでに25年が経過しているののに、見たことのある風景が今もあんまり変わっていない台南の風景に驚かされる。確か二十歳前後にビデオ借りて見たことがあったと思うのだけれどその時の印象はどうだったかな。記憶にない。

音楽に合わせて流れていく何気ない風景描写、この演出がツボにはまっている。彷徨っていく感じも好きで、生活感が漂いどこか懐かしい雰囲気の場所ならどこでもよかったのか、それとも台南だからできたことか。こういうの虚無感が一番好きなんだろう。「千と千尋」でも終盤の電車のシーンが一番好きかな。

映像構成と音楽のリズムで見せる作品が好きというのもある。台湾を知っているのも大きいか。それ抜きでも、風景や動きを切り取っていく絵の流れは飽きないし、定番の川井音楽はいい。自分はこれらの演出に非常に影響を受けている。
細部の作り込みとリズム感、掘り下げていけるテーマ。自身の作品もこうありたい。





好きなもの、興味があるものを探求していくと自分が何を作るべきか見えてくるだろう。


押井監督作品の全部が好きというわけではないけれど、巨人宮崎監督作品とどちらが好きかと言われると演出は押井監督作品が好き。万人ウケする感じではないけれど、はまった時の傑作っぷりは凄い。(ジブリ作品の全盛期のセル画の力強さ、美しさはすごい。巨匠は最後まで実写にはいかなかったなあ)セリフもそこそこに映像と音楽で魅せるのって相当難しい。
押井監督作品で好きなのはこれと、パト1、パト2、攻殻。語りと川井音楽。演出にポイントがあるんかな。

個人の文脈をいかに大きな文脈に置き換えて伝えていくかも課題。台南の個展もそういう意味では「あの場所」しかできない展示ができたとはいえる。一人の作家が訪れ、住み、生活し、出会い、そこで普段とは違う姿の作品や思想が生まれ観に来た人の文脈に入り込んでいけばいいっしょ。


以下作品のイメージ画像。